ニュースなどで、耳にする機会が増えているキーワード「働き方改革」。関連法案の施行まで残り4ヶ月!
今回は、IT・クラウド視点から、「働き方改革」の実現におけるポイントを紹介します。
働き方改革のキーワード
そもそもなぜ最近「 働き方改革 」をなぜ耳にするようになったのでしょうか?
内閣は、少子高齢化・都市への人工集中など、構造的な問題を解決するべく「一億総活躍社会(アベノミクスの第二ステージ)」の理念を掲げており、その中心的な政策の1つとして「働き方改革」を位置づけています。
法整備の方も進んでおり、今年(2018年6月29日)に「働き方改革関連法案」が可決・成立し、来年(2019年4月1日)には、施行されることが決まっています。
来春に迫った「働き方改革関連法案」施行に向けた注意喚起として、「働き方改革」を耳にする機会は、今後ますます増えて行くものと思われます。・・・あなたの会社は準備が出来ていますか?
実に様々な課題について取り扱われている「働き方改革」・・・
「どのようにすれば実現できるのか?」が分からず、二の足を踏んでいる企業様も多いと思います。
今回は、IT・クラウドと親和性が高く、ツールを導入することで、実現に向けて前進できる課題にフォーカスをあてて、「働き方改革」を、少し掘り下げてみたいと思います。
「働き方改革関連法案」の概要は大きく2つになります。
[1] 労働時間法制の見直し |
「働き過ぎ」を防ぎながら、「ワーク・ライフ・バランス」と「多様で柔軟な働き方」の実現 |
[2] 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保 |
正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との不合理な待遇の差をなくす |
※詳しくは『「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について』(厚生労働省)を参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html |
ここで注目していただきたいキーワードが「多様で柔軟な働き方」([1])です。
日常生活で様々なイベントが起るなか、我々は生活を支える為に働いています。
中でも、「病気・ケガ」「育児・介護」は、時間・場所の制限が大きく関係するイベントであり、仕事への影響も少なくはありません。
少子高齢化が進むなか、生活を支えるべき仕事を辞めて生活を守ると言うようなケース(介護離職など)への考慮も必要であり、会社側としても、社員の生活を守り支援するための仕事環境(働きやすい仕事環境)の整備が求められています。
働きやすい魅力ある環境は、従業員満足度の向上にもつながる施策であり、様々な効果も期待できます。
・モチベーションの維持
・離職率の低減
・入社希望者の増加
「人手不足」と言う大きな問題を解消するためにも、中小企業にこそ「働き方改革」が必要であると【厚生労働省】も呼び掛けています。
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(出典)厚生労働省リーフレット『「働き方」が変わります!!』 https://www.mhlw.go.jp/content/000335765.pdf |
グループウェアが代表的?働き方改革で注目されるクラウドサービスの活用
仕事と生活の両立、働きやすい仕事環境の実現に向けて、時間・場所の制限を緩和した仕事手法「テレワーク(リモートワーク / 事務所以外の場所で仕事をすること)」が注目をされています。
当然ですが、テレワーク導入には、事務所従業員とテレワーク従業員間での、情報共有・コミュニケーションを支援する仕組みを構築することが必須になります。
ひと昔前は、快適な通信環境が整備されていかったこともあり、テレワーク導入は高い壁でした。
しかし、各種クラウドサービス(情報共有アプリケーションなど)の登場や、通信環境の整備(Wi-Fi高速回線など)が進んだことにより、テレワーク導入は決して高い壁では無くなりました。
また、時間・場所の制限緩和の点から「地方創生」「災害対策」への活用にも「テレワーク」が有効であると言われています。
●「テレワーク」活用 | ||
従業員満足度の向上 | 子育て支援 介護支援 病気療養支援 |
U/Iターン支援(地方創生) |
従業員の安全確保 | 時差出勤支援(交通渋滞緩和) | 災害支援(出勤中の災害遭遇回避で自宅勤務) 災害支援(影響軽微な支店への勤務地変更) |
「テレワーク」運用時に便利なIT・クラウドサービスの具体例
次に、「テレワーク」における活用シーンごとに、役立つIT・クラウドサービスについて具体的に紹介したいと思います。
様々な活用シーンが想定できるとは思うのですが、ここでは以下の活用シーンにおける便利サービスを具体的に紹介したいと思います。
■想定される活用シーン | ■サービス例 | |
仕事に必須の「電子メール」!場所や端末にとらわれず、いつでも・どこでも確認したい | ▶ | [1]Webメール |
仕事のスケジュールやスタッフ所在地(事務所?テレワーク先?)を、場所や端末にとらわれず、いつでも・どこでも確認したい | ▶ | [2]共有スケジュール |
事務所勤務のスタッフと、リアルタイムにコミュニケーションを取りたい | ▶ | [3]ダイレクトメッセージ(DM)/ビジネスチャット |
事務所とテレワーク先でTV会議(電話会議)をしたい | ▶ | [4]Web会議 |
事務所勤務のスタッフと、大容量のデータをやり取りしたい (メール添付では容量制限が気になる) |
▶ |
[5]オンラインストレージ/文書共有 |
[6]添付ファイルWebダウンロード変換(添付DL変換) | ||
作成途中であった資料の続きを、テレワーク先で仕上げたい | ▶ | [7]クラウド型オフィスアプリケーション |
テレワークに使える便利なパッケージサービス「グループウェア」
上記の便利サービスの多くがまとまったパッケージサービスに「グループウェア」と言うのがあるのをご存知ですか?
「働き方改革(テレワーク)」と非常に相性の良いサービスであり、「テレワーク便利ツール=グループウェア」と言っても過言では無いかも知れません。
ここでは、日本製2社(日本企業の組織体系を意識した設計で運用がしやすい)・海外製2社のサービスを紹介したいと思います。
■グループウェア(クラウド版) [税別] | ||||
日本製 | 海外製 | |||
サイボウズ Office [サイボウズ社]★ |
desknet’s NEO [ネオジャパン社]★ |
Office 365 [Microsoft社]★ |
G Suite [Google社] |
|
初期費用 | \0 | \0 | \0 | \0 |
月額費用/ID単価 | \500~ | \400~ | \540~ | \600~ |
[1]Webメール | ● | ● | ● | ● |
[2]スケジュール | ● | ● | ● | ● |
[3]DM/チャット | × | ● | ● | ● |
[4]Web会議 | ● | ● | ● | ● |
[5]文書共有 | ● | ● | ● | ● |
[6]添付DL変換 | × | × | × | × |
[7]オフィスアプリ | × | × | ● | ● |
※ 手前味噌ですが「★サービス」は弊社で導入相談も可能です。お気軽にご相談ください。 ※ 上記は参考価格になります。実際に利用するサービス種類などにより単価は異なります。 |
多くのグループウェアでは、グループウェア内でのデータやり取り([5]文書共有)を想定・推奨している為、メール添付ファイルWebダウンロード変換のような機能は提供されていません。
「[6]添付DL変換」に興味をお持ちの方は以下のサービスを検討されるのも良いかと思います。
■誤送信防止サービス [税別] | |
Active! gateSS [クオリティア社]★ |
|
初期費用 | \50,000~ |
月額費用/ID単価 | \300~ |
[6]添付DL変換 | ● |
その他機能 | 添付ファイル暗号化・送信一時保留/上司承認など |
※ 手前味噌ですが「★サービス」は弊社で導入相談も可能です。お気軽にご相談ください。 ※ 上記は参考価格になります。実際に利用するサービス種類などにより単価は異なります。 |
VPNで実現する安全なテレワーク環境
先程も書きましたが「テレワーク(時間・場所の制限を緩和できる働き方)」が注目されるようになった背景には、通信環境(Wi-Fi高速回線など)の整備により、導入障壁が低くなったことも大きな要因の1つです。
しかし、Wi-Fi環境(特に、駅・空港・コンビニ・カフェなど、公衆の野良Wi-Fi)の中にはセキュリティが弱く、盗聴の危険性があるものも多いことが指摘されており【総務省(情報通信分野の監督官庁)】でも対策が検討されています。
Wi-Fi環境における盗聴防止策としては、一般的に「VPN(Virtual Private Network / 仮想ネットワーク構築と通信経路暗号化)」が有効であると言われており、セキュリティ各社から「セキュリティ モバイルアプリ」がリリースされています。
VPNアプリの中には、無料版もあるのですが【通信速度:遅い】【広告表示:有り】などの利用制限があり、ビジネス用途向きで無いものが多くあります。その為、ここでは、有料版に絞り、いくつか紹介させていただきます。
■セキュリティ モバイルアプリ [税別] | |||
Mcafee Safe Connect [マカフィー社] |
ノートン WiFiプライバシー [シマンテック社] |
Symantec Endpoint Protection Cloud [シマンテック社]★ |
|
初期費用 | \0 | \0 | \0 |
継続費用/ID単価 | \900/月~ | \2,990/年~ | \500/月~ |
[1]VPN | ● | ● | ● |
[2]ウィルス対策 | × | × | ● |
[3]脆弱性対策 | × | × | ● |
※ 手前味噌ですが「★サービス」は弊社で導入相談も可能です。お気軽にご相談ください。 ※ 上記は参考価格になります。実際に利用するサービス種類などにより単価は異なります。 |
【参考】VPN通信時のiPhone画面例(Symantec Endpoint Protection Cloud) | |
VPN自動接続時「アプリ画面」 | VPN自動接続時「VPN設定画面」 |
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「働き方改革とクラウドサービス」最後に
今回、お届けしました【「 働き方改革 」を実現するIT・クラウドサービスのススメ】は、如何でしたでしょうか?
新年度に向けて、そして「働き方改革関連法案」が施行されるにあたって社内環境やツールの検討をされている方も多いと思います。
少しでも、皆さまの参考になりましたら幸いです。
これからも、役立つ情報をお届け出来ればと思います。よろしくお願いします。