コネクテッドカーは全自動運転社会の夢を見るか

接続世界

IoTとクラウドで今最も身近なものにスマートスピーカーがあります。
もっとリアル生活に密着したところではコネクテッドカーと自動運転もホットです。車関連ではカーシェアも急激に事業化が進んでいます。中国を含めた海外が実ビジネスとして広がっている中、日本では試験的な導入が始まったばかりのものが多いです。
つい最近、トヨタとソフトバンクの提携がニュースになったことは記憶に新しいところです。

車に関しては(昔から専門誌として成立していたためか)メディアやライターがあまりITと馴染みがないようで、コネクテッドカーについてはLineでコミュニケーション可能とかスマホと繋がるとか、せいぜいAlexaが組むこまれたくらいにふれる程度で「それが何を意味しているか」を伝えてくれません。
そもそも車と通信はかなり以前から密接につながっていました。僕は15年位前車の純正カーナビで電話のハンズフリーも実現されていましたしメールの送受信も可能でした(たしか音声読み上げもしてくれてた)、10年位前の車ではカーナビの目的地をPCで設定してメールで車に転送することはできていました。5年前の車だとスマホの地図アプリとカーナビ連動やスマホの音楽再生をコントロールくらいはできていました。

ではコネクテッドカーはなにを実現しているのでしょうか。

低い普通の車

そんなこんなで自動車の未来が知りたくなって、最近コネクテッドカーを購入しました。クラウンなんて買えない庶民なのでカローラスポーツの方です。

ちょっと車高が低い普通のコンパクトカー

外観はこんな感じ。ちょっとぺったんこなよくあるコンパクトカーです、外見は。

もちろん「コネクテッドカーの評価検証」が目当てでこの車選んだなんて酔狂な話で家族が納得してくれるわけもなく、自動運転や衝突回避といった安全機能、運転負荷軽減機能で説得しました。
事実として、運転中を意識を失ったり、アクセルとブレーキの踏み間違い等での悲惨な事故がよくニュースにもなっています。自分だけならともかく、同乗している自分の家族や道行く見ず知らずの人を巻き込んでの重大事故は想像するだけでもつらいものですし、現実感と説得力はありますよね。
「じゃあ車に乗らなきゃいいじゃん」大都市に大人だけ住んでいればそのとおりなんですが、ちょっと地方に住んでたり、子供がいたり、足腰の弱った家族がいたり知る場合はそうはいきません。また都市部であってもタクシー、路線バス、運送トラック等自動車が無くなることはありません。豊かな生活になればなるほどそれらは不可欠です。僕たちは車と社会のあり方を見直す時期に来ているのです。
そもそも、便利なものがあり、テクノロジーがそれを解決可能であるのに、それを使わずに不便な方法を強いたり、制約をかけて使いづらくすることは、豊かな社会といえるでしょうか。

機械の眼

機械のカメラとセンサーは瞬きをしません、そして昼も夜も視力や視界が変わることはありません。機械は疲れることはありません。機械は眠ることはありません。機械はおしゃべりもしませんし同じことを飽きることなく忠実に実行してくれます。

ここにカメラと通信モジュールがあります。けっこうでかいのでたまに信号とか見づらかったります。将来はもっとコンパクトになり、多眼化され、精度の高いカメラが搭載されるでしょう(そうiPhoneXのように)。ミリ波レーダーはフロントグリルについているようです。また前後左右にはソナー(名前からすると音波センサーかな?)もついているようです。センサーは外向きだけでなく社内のシートベルトやドア、窓などにも設置されているようです。


センサー/カメラの内容はうまくまとめてほどよい情報量にして表示してくれます。画面は必要に応じて勝手に変わります。もちろん必要な情報を手動操作で表示することも可能ですが・・・


これがハンドルの左右にあります。はっきり言って走行中に手元を見ずに操作するのは無理っぽいです(F1のハンドルとかもっとすごいことになってますが、あれを数Gの旋回モーメントの中、コンマ数秒単位で操作するF1ドライバーはホント超人ですね)。

とりあえずトヨタさんは車が拾ってくる大量のデータを、ドライバーが意識することなく使えるように、ほどよくやってくれています。車間距離を見て速度調整し、白線を超えないようハンドルを操作し、斜め後方の隣車線に他の車がいるときはミラーにお知らせを表示し、ちょっとフラついたり高速道路で後席のシートベルトが外れるとアラート音を出してくれます。マニュアルを見なくても誰もがこれら恩恵を得られるようになっています。これぞUI/UXってものですね!

で、これらが自動車内にいるときだけ使われてはコネクテッドカーの意味はありませんね。そんなわけでスマホアプリから車の状態が常時確認可能です。

 
車のロックをを忘れたり、窓を開けっ放しだとメールまで送ってくれます。
・・・そこまでやるんなら「リモートでロック」したり「窓の開け閉め」させてくれたりしてもいいんじゃないか、なんて思いますが「できるけどやれない」何かがあるのでしょう。今のところ一貫して「外からは見えるだけで操作不可」ってポリシーのように見えます。法規制があるのか自動車メーカーとしてなにかのリスク回避か。

そういう時代がきた、孫正義は言った

この車のコネクテッドカーとしての機能は今のところ車のセンサー状態を外部(スマホ)から確認することしかできません。
しかし、周囲の人や車、道路標識や白線を車のセンサーが認識できる、ハンドルやアクセル操作を人間無しでできる、インターネット越しに対話形式でカーナビを操作できる、ということは、車への操作をほぼ遠隔でできる未来がすぐそこにきているということです。US版ではAlexaがインタフェースだそうなので、
「Alexa、週末家族で近場の温泉に行きたいので宿と車の手配よろしく。運転は自分でするよ!」
なんて言っとくと、予約済みのホテルまでのナビが設定済みの自分の車が週末に玄関で迎えに来てくれる・・・って感じになるのでしょう。もちろん運転は自動でもいいし、そもそも車も自分の車である必要もない。カーシェアサービスを利用しているならその時間に空いていて自分の家族構成にマッチした車が手配されている。
Alibaba/Uber-Softbank-Toyotaの大連合でそんな未来がさらに近くなった気がします(2030年までにはいけるんじゃないかな?)。実際リモートの車庫入れ程度ならテスラが既に実現してますしね。
近い転換ポイントとしてはまもなくスタートする5G通信もあります。今ボクの車のDCMはたぶんLTEですが、再来年くらいには5Gとなるでしょう。そうすればより大量のデータを高速に低遅延でやり取りできるようになります。自動車のセンサーから出る大量のデータをすべてリアルタイムにクラウドに転送、他の自動車から受け取った同様のデータと合わせて処理され、経路、目的地などが常に最適化され、適当に間引いたフィードバックだけが人間に見せられ、あとはクラウドと自動車におまかせドライブ・・・という未来はすぐそこにあることが実感できますね。

急回転する世界

これまでも夢で描いた「未来」が実現するのを何度も目撃してきました。最近はその実現ペースがすごく早くなってる気がします。その「未来の実現」を加速するツールが「クラウド」なのかな、と実感してる今日このごろ。

ちなみに当然ながら本記事はトヨタさんやソフトバンクさんへの忖度は一切ありません。でも百万単位のお金払ってこんな記事まで書いてるんだからトヨタさんはちょっとくらい筆者に感謝してくれてもいいんじゃないかなぁ(ボソ)。

「オペレーターと話してみた」編を見てもわかるとおり、CMを作る人からして「コネクテッドカー」の本質を理解していないのがわかりますね。ほんとに残念です。